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世界基準の不動産管理と、日本の「これから」— IREM国際アワードに参加して

 

いつもナビックのブログをお読みいただきありがとうございます。代表の森川晴一朗です。

今回は少し、私のもう一つの活動についてお話しさせてください。

私は「IREM JAPAN」という団体で、西日本支部長を務めています。
IREM(Institute of Real Estate Management/全米不動産管理協会)は、米国シカゴに本部を置く不動産管理のプロフェッショナル団体で、その歴史は90年以上。世界中の不動産管理者が学ぶ「CPM®(Certified Property Manager/米国公認不動産経営管理士)」という国際資格を認定している組織です。

この6月、名古屋で開催された「IREM/CCIM JAPAN AWARD 2026」に、米国本部からCEOのザック・ウォルキスト氏、会長のミンディ・グロンベック氏をはじめとする幹部が来日し、私たち日本の支部長・理事と4日間にわたって膝を突き合わせた議論を行いました。今日はその中で感じたことを、皆さまの資産や暮らしにも関わる話としてお伝えしたいと思います。

 

 

アメリカには「不動産業の免許」がない?

会議の中で、私にとって最も印象的だった議論があります。

米国本部の会長が話してくれたのですが、アメリカの一部の州では、日本の宅建業法のような厳格な参入規制がなく、極端に言えば「明日から私は不動産屋です」と名乗って始められてしまう環境があるのだそうです。

だからこそアメリカでは、IREMのCPM®という資格が「この会社は一流の管理会社である」「この人は信頼できるプロである」ことを証明する印として発展してきました。法律が守ってくれない世界では、自ら学び、倫理を掲げ、専門性を証明することが生き残りの条件だったわけです。

一方の日本はどうでしょう。宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士という国家資格があり、賃貸住宅管理業法という法律が管理会社に登録を義務づけています。つまり日本は、業として不動産や賃貸管理に携わるための「最低限の資格と準備」が法律で整備されている国なのです。

この違いに気づいた米国本部のCEOは、「アメリカの基準をそのまま各国に当てはめるのではなく、それぞれの国に合わせたIREMの価値の定義を作っていくべきだ」と語りました。自分たちの前提を疑い、定義から考え直す。とてもアメリカらしい、learningな姿勢だと感じ入りました。

 

 

「最低限」の先にあるもの — 118社への是正指導が示すこと

さて、ここで最近のニュースに触れたいと思います。

7月6日号の全国賃貸住宅新聞に「管理業法の違反、118社に是正」という記事が掲載されました。国土交通省が全国168社の管理会社・サブリース会社に立ち入り検査を行い、118社に是正指導を行ったという内容です。2021年に施行された賃貸住宅管理業法に基づき、2022年から毎年続けられている検査です。

指摘の多くは、契約書面の記載不備や重要事項説明に関するもの。幸い118社すべてで是正が確認されたとのことですが、法施行から5年が経ってなお、登録業者1万社超のうち検査対象の約7割で不備が見つかるという現実があります。

私はこのニュースを見て、名古屋での議論を思い出しました。

日本には確かに、法律という「最低限の線」があります。しかしこの検査結果が示しているのは、「最低限の線を守ること」すら、実はまだ道半ばだということです。そして本当に大切なのは、その先です。

法律を守るのは当たり前。その上で、オーナー様の資産価値を本気で高め、入居者様の暮らしを本気で豊かにする提案ができるか。財務を読み、市場を分析し、10年後・20年後を見据えた経営判断をオーナー様と一緒にできるか。そこにこそ、プロフェッショナルの本当の仕事があると私は考えています。

 

 

世界の仲間と学び続ける理由

名古屋のアワードでは、日本全国で新たにCPM®を取得された方々の認定式も行われました。私たち西日本支部からの受講者は全員が合格し、ザックCEOの前で宣誓する姿を見て、胸が熱くなりました。

CPM®の学びは、倫理(Ethics)から始まります。財務分析、資産運用、メンテナンス管理、人材マネジメント — 全課程を修了するには1年近い学習が必要ですが、その根っこにあるのは「自分の利益より、奉仕する人々の利益を優先する」という倫理規定です。

法律という最低限の線は、国が引いてくれます。しかしその先の線 — お客様に「この会社に任せてよかった」と心から思っていただける仕事の水準は、私たち自身が学び続けることでしか引けません。

業界に本物のプロフェッショナルが増え、本当の仕事をすることで、不動産業界が、そして社会が良くなっていく。名古屋での4日間は、その願いを新たにする時間でした。

ナビックはこれからも、世界基準の知識と地域に根ざした実践の両輪で、皆さまの大切な資産と暮らしに向き合ってまいります。

不動産経営のこと、資産のこと、お気軽にご相談ください。

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